山口県岩国市 観音茶屋 【レトロ自販機】

山口県岩国市にレトロ自販機の聖地と言われる観音茶屋があります。
思えばわたくしは子供の頃、自販機とマンホールとご覧のスポンサーの種類の違いを見つける事が大好きでした。
ご覧のスポンサーというのはテレビを見ていると出てくるあれです。

提供
野良猫金融
野犬興業

みたいなヤツ。
あの提供の文字の配列やフォントが様々で、子供心に珍しい提供を見つけては喜んでいました。
マルイの提供とかは独特で、私がたまたま発見して寝ている家族を叩き起こしたり。
夜遅くまで珍しい提供文字を見るために起きていたりしました。
マンホールはそのまま、やはり色々な形や種類を発見する楽しみがありました。
これは大人の方でもマニアがいますね。
文字や絵、色や形、大きさなど様々でマンホールの種類だけでたぶんブログが1つ作れるくらい奥深い世界です。
勝手なイメージだけど、タモリさんとか大好きそうなジャンルですね。

自販機も非常に面白い。
やはりたまに非常に珍しい形の自販機があったりします。
飲料のみならず、煙草、食品、酒、エロ本など多岐に渡ります。
「お母さん!!あの自販機ちっさくて珍しい!あれなんの自販機ぃーー!?」
と母親にコンドームの自販機を指さして大声で聞いたのは良い思い出ですw
飲料の自販機で思い出深いのは円形放射状に缶を配列したタイプ。
購入するとルーレットのようにLED(古いからLEDじゃないのかも)が回って、当たりが出たら飲料がもう1本無料でもらえた記憶があります。
昔は細長いスチール缶が主流だった記憶がありますが、いつの間にかアルミ缶主流に変わりました。
円形放射状タイプ自販機は太い形状のアルミ缶が主流になり始めてから見なくなったような気がします。

今でもオユキは珍しい自販機を見つけるとなんだかワクワクしてしまいます。
酒をわずか2種類だけ売ってる細い自販機なんか見つけると嬉しくなります。(旅館に多し)自販機筐体自体は珍しくなくても、設置場所が珍しい物を面白い。
例えば田んぼと田んぼの間にある自販機とか。ついつい買ってしまいたくなる。
そんなオユキだからこそ、食品自販機なども大好物です。
中でも昭和の香り漂うレトロ食品自販機は自販機の中の帝王だと思います。
レトロ食品自販機はそれ自体が1つの趣味ジャンルとして確立されており、ネットでもマニアな方々の素晴らしいサイトを拝見できます。
オユキが山口県に行った際に必ず行こうと思っていた場所があります。

岩国中心地から国道187号線を内陸に向かって入っていった先にあります。
自動車がないと行くことは難しいです。
レトロ自販機はとっくに生産終了していますし、それどころか部品供給も終わっており、修理困難でどんどん消えていっています。
そんな現在でもメンテナンスと修理に熱心なオーナー様のおかげで現役バリバリでレトロ自販機が動いている全国でも数少ないスポットの1つが観音茶屋です。

観音茶屋01

はーい!国道走ってると急に出てきます。見落とさないように!
すごい。なんかいっぱい自販機ある! いわゆる自販機ドライブインみたいなやつ。
こういう自販機が開発されなくなってしまったのは、コンビニの影響が大きい。
昔は24時間営業のコンビニやレストランなどはほとんどなく、こういった自販機コーナーというのは夜中に買い物が出来る数少ないオアシスだったのです。
今では極僅かな場所でのみ、古代遺産としてその雄姿を仰ぎ見る事が出来る。
(民明書房刊 世界の自販機遺産目録より)

観音茶屋02

看板も味がある。手書きで丁寧にペンキで塗られている。
やはり自分でメンテナンスが出来るオーナーだからこそ維持できるレトロ自販機。

観音茶屋03

古い自販機から新しい自販機まで綺麗に整列しております。
定番のカップヌードルから手作りのお惣菜系などが買える自販機も。
オラなんだかワクワクしてきたぞ! ( ^ω^ )/
(ちなみにオユキは液晶表示の最新式自販機なども大好きです。レトロもハイテクもなんでもござれ。自販機そのものが全て好きです。)

観音茶屋04

さて、私がここまでやってきた理由は上の写真右から2番目の自販機!
うどんラーメン自販機でござる!
良く見ると「名物 ラーメン うどん」という看板が設置されている。
これはここのオーナー、管理者が特注で設置したものに違いない。
古い筐体が多いが全て稼働状態でメンテナンスされており、愛情を感じる。
愛がなければ絶対に維持できない。

観音茶屋05

可愛いワンコが書かれた自販機の全面パネルもここのオリジナル!
良く見るとちゃんと観音茶屋って描かれているし!
パネルが壊れてしまって部品もなければ、普通は諦める。
だが観音茶屋は諦めない。部品がないなら作れば良いじゃないか!
すぐに新しいものに買い替えてしまう価値観が蔓延する現代日本において、古き良き物を出費覚悟で守り続ける精神には頭が下がります。

観音茶屋06
お食事スペースもあるよ (*‘∀‘)/

さて、食うぞ。ここまで食いに来たんだから!見に来ただけじゃないよ!

観音茶屋にはBGMも流れています。だからなんだか賑やかな雰囲気。
メニューはラーメン肉うどんの二種類。
価格は350円!メンテナンス維持費などを考えるとかなり安い。
コインを入れて30秒ほどで温かい一杯が出てきます。

観音茶屋07

七味やコショウ、割り箸なども設置されています。やはりオーナーはマメでござる。

観音茶屋08
肉うどん

お肉はおうどんの下に隠れています。箸でほじくると出てくる。
味は、これが妙に美味い。
いや、たぶんレストランでこのうどんを食べても「めちゃうま!」とは思わない。
「普通においしい」程度。しかし、これが自販機から出てきたものとなると話は違う。
美味さ倍付け!
もしこれがコンビニもない時代の寒い日、更に夜中だったら美味さは倍々に膨れ上がるだろう。
でも、本当にちゃんと美味しいんです。出汁がしっかり効いています。
もちろん麺は打ち立て・茹でたてではないけど、ぱさぱさという感じもなく、ツルツルシコシコしています。
このレトロ自販機は高速パーキングなどにある温められた冷凍食品が出てくるような自販機ではなく、実際に麺をお湯で湯がいて湯切りして、温かい出汁が注がれて出てくるものです。
こういったアナログな調理を筐体内で行う自販機は冷凍やレトルト技術の上がった現代ではもう二度と作られることはないでしょう。
業務用冷蔵庫などで有名なホシザキや富士電機などがかつてレトロ食品自販機を作っていたようです。
こんな自販機を昭和40年代に開発・製造していた当時の日本の電機メーカーの先進性は凄いと思う。
ホンダなんかもその時代が最も勢いがあって世界に先駆けた先進的な物を開発していた。
何というか今の日本は煮詰まってしまった。先進国病だ。
しかし英国のダイソンのようなメーカーが日本からなかなか出てこないのはなぜだろうか?
守りに入り前例を踏襲したがる日本人の性質が、発展飽和した現代では非常に悪い効果を生んでいるのだろうか?
レトロ自販機の前でそんな事まで考え込んでしまう。

観音茶屋09

ブツブツ言いながらもうどんをペロリと平らげてラーメンも。
これもまた妙に美味しい。チャーシューもちゃんとしている
ジューシーで美味しいし臭みもない。
レトロ自販機は内部で調理をしてくれますが、麺や具、出汁などの材料は自販機を管理する人が自前で用意するようです。
ですから、同じレトロ自販機でもどこの自販機かで味が異なります。
やはりマメな管理者のいるここの麺類は美味しい。
興味のある方は是非足を運んで味わってみてください。

観音茶屋10

看板にも書いてありましたが、ゆで卵や総菜などが販売されている自販機もあります。

観音茶屋11
こういう可愛らしい生物との出会いもあり ※名付けてカンニャン

もう観音茶屋最高!楽しい!
オユキはいつまででもこの場の空気に浸っていたかったけど、旅の予定を考えて残念ながらお別れ。
でも岩国に行ったらまた絶対行きたい場所。不思議な魅力いっぱいの観音茶屋。
心をほっとさせてくれる、まさに憩いの茶屋でした。
※ちなみに岩国中心地から観音茶屋までは車で40分ほどかかります。

無窮花

ところで岩国中心地にはオユキ個人的に超おすすめ焼肉屋の「無窮花(ムクゲ)」があります。
味やコスパのみならず、オユキが重要視するプライベート感もしっかり確保できる稀有な焼肉屋です。
お肉も素晴らしいけど、ここの冷麺は最高です。物凄いコシと旨味です。
冷麺好きならば食べて損はなし! 岩国のビジホに泊まって無窮花で舌鼓を打ち、翌朝観音茶屋に向かいブランチ。
岩国市のオユキ的黄金ルートでございます。
興味がある方は観音茶屋と合わせて行ってみてくださいませ。

それでは長くなりましたが、みなさんごきげんよう ( ^ω^)/~~~

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