そもそもHPVとは何ぞや?
HPV(ヒトパピローマウイルス)をご存じでしょうか?
HPVはありふれたウイルス感染症であり、ウイルスの型は数百種類あると言われます。
人だけが持つウイルスではなく、自然界に無数に存在しています。
その中で、特に人の癌の原因になる事が判明している悪性度の強い型が十数種類あります。
一般的に性行為で感染する事が知られていますが、母子感染や唾液などからの感染も起こります。
悪性度が低い型も皮膚のイボなどを引き起こします。
また最近では皮膚がんの一種であるボーエン病とHPVの感染に強い相関がある事も分かってきました。
まあまとめると、多くの人が感染しているが潜在的には恐いウイルスです。
HPVワクチンの存在
特に悪性度の強い型にターゲットを絞って開発されたものがHPVワクチンです。
HPVは子宮頸癌の原因になる事から、HPVワクチンは日本では子宮頸がんワクチンとして知られています。
しかし実際には子宮頸癌のみならず、咽頭癌、食道癌、膀胱癌、口腔癌、頭頚部癌、上顎洞癌などの原因にもなる事が現在では分かっています。
特に咽頭癌や頭頚部癌では高い感染陽性率を示します。
ですから実は子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)というのは男性が接種しても利益があります。
多くの癌のリスクを下げる事が出来ますし、男性から女性へHPVを感染させるリスクも下がります。
日本で過去に起こったHPVワクチンバッシング
世界でもトップクラスの清潔さと水の豊富さを誇る日本では感染症の恐怖を感じる機会はそう多くありません。
戦後間もない頃は感染症による乳幼児の死亡率も高かったのですが、ワクチンの定期接種なども一般化して乳幼児の死亡率は劇的に下がりました。
皮肉な事ですが、ワクチンの恩恵を受けた社会ほど、ワクチンの利益が見えにくくなるのです。
昨今のコロナ騒動でも言えるのですが、人はまだ起こっていない未来のリスクを合理的に考える事が苦手です。
当たり前と言えば当たり前です。そんな事が簡単に出来たら、おそらく大多数の人が投資で億万長者になれます。
また、人というのは何事にも原因を求めたがります。
そしてその原因は単純な必然ほど好ましく、複雑な偶然ほど疎ましい。
しかし実際はこの世界の殆どは複雑な偶然によって成り立っており、単純な必然というのは殆ど無いのです。
なぜ人が単純な必然を求めるのか、それは心理の問題です。
何か原因を考えるときに、1つの分かりやすい原因を想定した方が、そこに怒りをぶつけやすいのです。
人は悲しみや苦しみよりも、怒っている方が生きる気力を持てます。
そして怒る対象が1つである方がより楽なのです。
どこに怒りを向けたら良いか分からない、誰も悪くない、
原因が多すぎて何がどれだけ悪いのかも分からない、
そういう状態では人は感情を外に向ける事が出来ず、自分の中に溜め込みます。
これが辛いのです。ですから人は、何か原因というものを単純に考えたくなる生き物なのです。
子宮頸がんワクチンの定期接種が日本で始まってすぐに、子宮頸がんと重篤な副反応の話が噂になり日本中を駆け巡りました。
その後の大規模な調査で、原因不明の疾患の発生率において子宮頸がんワクチン接種者と未接種者に発症率の差は見られない事が明らかになっています。
実に面白くない結果だったので、マスコミも殆ど報道しません。
マスコミというのは事実を報道するのではなく、面白い事を報道するのです。
散々煽っておいてメディアというのは実に無責任な仕事だと思います。
確かに薬害事件などの事例が過去にある世の中では、医療や薬剤に対して疑義が生じた場合に一度立ち止まり客観的に冷静な態度で見つめ直す事は必要だと思います。
ただ当時の子宮頸がんワクチンバッシングはネット上でただ騒ぎたいだけの人を焚き付け、それを煽り、メディアも楽に視聴率が取れて自分たちは叩かれない立場なのでエビデンスもデータもない様な安直な報道をしていた様に思います。
男性も女性も接種する事で子宮頸がんを撲滅寸前にしている国
先進諸国では女性のみならず、男性にも子宮頸がんワクチンの接種を推進している国があります。
オーストラリア、カナダ、英国などでは男性の接種率も7割を超えています。
こういった国では子宮頸がんは激減していて、オーストラリアでは2030年代には撲滅されると予想されています。
一方日本では女性の接種も停止された上に、男性の接種はほぼ皆無の為に先進国で唯一子宮頸がんが増え続けています。
HPVウイルスは男性から女性にうつすケースが非常に多いのです。
女性ではない自分には無関係だからと、子宮頸がんやHPVの知識を得ようとしない男性が多い事はとても残念に思います。
子宮頸がんは若い女性でも命を落としてしまう非常に恐ろしい癌です。
その原因の殆どがウイルス感染です。
有効なワクチンがあるならば、それを男性も接種する事で自分自身も女性も守る事が出来るならば、
接種をする事が、女性を愛する男としての義務なのではないかとオユキは思います。
(また上述の通り、咽頭癌などの原因にもなるので男性が接種する事は男性の直接的利益にもなります)
ワクチンの種類について
子宮頸がんワクチンにはいくつか種類があります。
HPVは人体に悪影響のあるものだけで十種類以上。
その中で特に悪質なものは数種類ですが、ワクチンには2価、4価、9価のものがあります。
当然最新型は9価のものです。(2024年現在)
もちろんオユキはどうせ打つなら最新型の9価が良かったので、それの接種を目指しました。
9価ワクチンはガーダシル9(商品名シルガード9)です。
オユキが接種したのは2022年で認可直後だったのですが、2023年4月からは女性であれば条件次第で公費負担で接種が可能な様です。(基本的に高校生まで)
どこで接種すれば良いのか?
とは言え、定期接種も補助もない日本で男性が接種したい場合どこに行けば良いのか?
ズバリ!男性にも接種してくれる病院に行って自費で接種する事です。
ネットで「HPVワクチン 男性」などと調べれば色々なサイトが出てくるので、自分の住んでいる地域でどこが対応しているか簡単に分かります。
( ・ω・)つこちらのサイトなどが分かりやすいです
やはり東京大阪福岡などの大都市圏には男性接種可能な病院も多いですが、地方部になると少ない様です。
ただ、「自費で打とう!」なんていう気概のある人にとってはそんな移動なんでもない気もします。
オユキが行った病院
わたしくオユキは当時大阪に住んでいましたので、大阪市内にある「うつぼガーデンクリニック」を選んでみました。
※現在うつぼガーデンクリニックは大阪グランドクリニックとして移転・開院している様です。
大阪梅田付近のビルの1階。待合室もとても綺麗で好印象。
美容医療や自費診療などに対応している病院です。
やはり一般的な町の内科などでは男性接種未対応だったり、ワクチンも最新型が無かったりなので、何か明確な目的がある場合はこういった病院の方が良いと思います。
美容医療系や自費診療に対応している病院はアレルギー検査なども強い。
勿論事前予約をしていたので受付はスムーズ。問診票など書いて説明を受け、接種開始です。
そしてワクチンの接種
HPVワクチンは合計3回接種する必要があります。
3回接種によって抗体価が高まり安定した免疫を得る事が出来ます。
1回目接種から2カ月後に2回目、2回目から4か月後(つまり1回目の半年後)が推奨の様です。
ただしこれは多少前後しても構いません。
さて、名前を呼ばれて診察室に入りいよいよ接種です。
さすがに写真はありませんが、まあ何の事はない普通の注射です。
ちなみに筋肉に注射するタイプでした。
感想としては、ちょっと痛いです。
当たり前だろ!(´゚д゚`)
って言われそうだけど、けっこう注射って薬剤によって痛みの種類が違うんですよね。
子宮頸がんワクチンは打った瞬間生暖かい印象で、筋肉痛の様な痛みが来る感じ。
同時期に破傷風ワクチンも接種したのですが、そちらは打った瞬間ひんやりと冷たく、痛みは殆ど無い感じでした。
因みに完全脱線の話になるのですが、オユキは子供の頃注射が死ぬほど嫌いでした。
普通の子は3~4歳くらいまでは泣いたりしても、幼稚園に入る頃にはあまり騒がなくなります。
しかしオユキは幼稚園年長組(6歳)になっても注射が恐くて恐くてまあ大変でした。
部屋中に響き渡る大泣き+キック+パンチ+体ねじりなどで全力の抵抗。
もう先生方は大変で、「次オユキ君だ!先生方準備!」って感じで、逃げ回るオユキを捕らえ、2~3人の先生に羽交い絞めにされて無理やり注射を打たれる始末でございました。
子供の勘はなかなかのもので、注射がありそうな日は「今日注射無い?」などと親や先生に聞きまくるオユキでした。
「無いよ」と親も先生も言うので安心していたら、白衣を着た別の先生が来るわけです。
「大人は噓つきだ!もう絶対に信じない!!」と思ったものです。
まあ幼稚園児ならかわいいものの、小学生になってこれだとさすがに恥ずかしくなってきます。
小1なるともうオユキ以外に注射で泣く子などおらず、相変わらずオユキは喚くや泣くや抵抗するやで先生方も医師も笑いではなく驚き呆れておりました。
人一倍感受性の強いオユキはこの時、「やばい!幼稚園の頃の様な少し微笑ましい眼差しを感じない!
それどころか迷惑そうな雰囲気、そして女子からの冷たい視線を感じる!!」
と気が付きました。そこで注射を克服するべく、自分は注射の何が恐いのかを考えてみたのです。
「注射は痛いから恐い」これが自分の考えでした。ところが、じゃあ注射の痛さを思い出そうとしたらあまり思い出せないのです。
はっきり言って兄に殴られる痛さの方が遥かに大きい。
「実は注射は痛くないのではないか?自分が痛いと思い込んでいるだけではないのか?」
という推察が生まれました。
そこでオユキは決めたのです。「次に注射を打つ時は針を刺す瞬間をしっかりと見て、痛かったら大泣きしよう。でも痛くなかったらもう泣くのはやめよう。」と。
そして小学2年生になり次の予防接種の機会がやってきた時に、それを実行しました。
すると、注射なんて別に痛くないんですね。針を刺す瞬間にチクっとする程度だけど、それもつねられる方がよっぽど痛い。
「自分は自ら幻影を作り出し、その幻影に恐怖していた。恐怖の本質は自分の心にある!」
と悟った出来事でした。
おしまい (´・ω・`)ナゲーヨ
かかった料金と総額
(※画像の個人情報部分は削除しています)
1回目39,000円、2回目39,000円、3回目43,000円 計121,000円
うん。完全自費なのでやはり高い。ミドルクラスのパソコンが組めるくらいですね。
3回目が令和4年に値上がりしたのもちと痛い。
まあしかしながらですね!これで自分が感染するリスクも、自分が人にうつすリスクも激減出来るわけで、良いお金の使い方をしたなあとオユキは思うわけです。
因みに1回目の2か月後に2回目、2回目の5か月後に3回目を打ちました。
ここらへんは多少前後しても特に問題無いと思います。
いくつかの論文を読むと、接種間隔は少し長めに取る方が抗体価が上がる傾向もあるようです。
(HPVに限った話ではなく、ワクチン全体の話)
まあそんなこんなで、文章ばっかでつまらねえ記事だったかもしれないけど読んでくれた方ありがとうございます。
それではみなさんごきげんよう (*‘∀‘)/˜˜˜
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