熊本県 釈迦院 【3333段 日本一の階段】

突然ですがみなさん、階段は好きですか?
むしろ嫌い、という人の方が多いのではないでしょうか。
しかしワタクシオユキは、昔から階段が大好きです。
階段を上るのが大好きです。
だから駅や建物などで積極的に階段で登ろうとします。
大きな荷物を持っている時や誰かと歩く時は別ですが、1人の時はほとんど階段を使用します。
エレベーターもエスカレーターもあまり好きではありません。
そんなオユキが、日本一と言われている階段を上る事は必然なのです。

さて、階段の段数で日本一の場所はどこだろうか?
段数だけで言うと、長崎県の舞岳ふれあいロードが8888段で日本一のようです。(2019年現在)
しかしふれあいロードの階段は段数が多いというだけで、1段の高さは低く、ハイキング感覚で上れる比較的ライトなもののようです。
しっかりとした高さのある段で日本一を誇るのは熊本県の釈迦院で間違いありません。
実際、ふれあいロードは楽だったが、釈迦院は断念したなどという話もちらほら。
階段好きとしてはこれを偵察しないわけにはいかない!(`□´)ノ

階段の上り口は八代市や宇城市などから近い、下益城郡美里町という場所にあります。
国道443号線から釈迦院へ繋がる道へ進入し、2kmほど進むと到着します。(地図を参考にどうぞ)

釈迦院01
釈迦院02
車を走らせ現地に到着。(有料駐車場などもあります)
スタート地点ですでに標高240Mです。

釈迦院03

石碑に 日本一の石段 と書いてある

うーん。。(;`Д´) 流石は日本一、なかなかの貫禄だぜえ。。
石段の一段一段がけっこう分厚いですね。
どこまで続いているのかわからない底知れなさがすでに最初から漂っている。。

釈迦院04
ふむふむ。案内表示によれば途中休憩所やトイレはいくつかありそう。
ペットボトルの水を持っていざ出発!(`Д´)/

階段ばかりが注目される釈迦院ですが、西暦799年に奘善大師(読めねえぇ!)によって創建された由緒ある天台宗のお寺。
石段そのものは1980年、当時の自治体がバブル景気の中、図に乗って町おこしの一環として88年に完成させたものです。
そう、日本がバブルで浮かれていた時代に企画・建設されたものであり、おそらく今後これほどの石段が再度作られる事はないでしょう。
そういう意味でも貴重。階段好きにとっての聖地と言えるのではないでしょうか。
図に乗って町おこしで箱物を作って廃墟になって終わるよりも、多くの人が楽しめる観光スポットとして残るのだから長い目で見ればなかなか良い予算の使い方なのかもしれません。

釈迦院05
当たり前ですが、階段は一直線ではありません。
見えている場所を上り切ったと思ったら次は左折、次は右折と九十九折りにひたすら続きます。
しかし石段が実に立派。お金をかけて作られたのがよくわかります。

まずは192段を上り切ると、大威徳明王(牛の宮さん)に到着します。

釈迦院06

牛の宮さん入り口の門

ここに上った人の記録帳なども置いてあります。
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釈迦院08

かわいい

牛の宮というだけあって、実際に牛さんが祀ってあります。
全段上るつもりの人は、ここで安全祈願をします。
ここまでが限界の人は「ここまでは上った」という達成感を味わって帰れる最初の場所です。

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なんかすげえ凝った意匠の灯篭などもあり。しつこいけどやはりバブルパワーの残り香が、、 (´Д`;)
さて、階段好きのオユキは当然の如く牛の宮を後にして上り続けます。

釈迦院10
釈迦院11
階段。階段、階段階段!(´Д`;)
いやあ、覚悟はしていたけどやっぱり階段だなあ。
いくら階段好きでも疲れてくる。
そして疲れるから楽しいのだ。階段好きとはすなわちマゾである。

釈迦院12
途中、小さな祠やお地蔵様的なやつがけっこうな数出てくる。
かなり古そうなもので、これらは日本一の石段が出来るずっと前からあったものだろう。
昔は登山道を登って釈迦院まで参拝に行っていたわけだ。

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らくのう牛乳! 企業もスポンサーかな。らくのう牛乳地蔵だ。

この祠のあたりが一の越のあたりで、832段目です。
どうもこの先、二の越、三の越、と十の越まであるらしい。。

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900段くらい上った所にトイレがございます。こういうのがありがたい。
運動していると突然うんkとか出そうになりません?オユキはなります。
トイレが多い観光地というのはお腹が弱い系の人にとっては実に頼もしいものです。
しかし自販機などはない。。

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そしてまたすぐに階段が始まる。暑い時期だと死ねる。

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見よ!この傾斜角。一段一段も分厚いのでかなりハード。チョモランマァァ。。。

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ちょこっと休憩できるような場所はたくさんあります。
こういったところでこまめに水分補給。
しかしここまで1台も自販機ありません。ペットボトル持参必須 (`□´)ノ

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汗だくで、賽銭を入れている余裕はない。

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上っても登っても昇っても階段が続く。奥まで見える直線の方が精神的にきつい。。
千段上ってもまだ三分の一以下である。

釈迦院21

やはり賽銭を入れる余裕はない。っていうかここまで賽銭回収しに来る奴誰やねん!

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1700段ほど上った所に、トイレ休憩所があります。
約半分くらいの場所ですが、ここが道中最後のトイレになります。
(頂上の釈迦院にもトイレはあるようです。)

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この休憩所、AEDがあったり天井には曼荼羅的な絵が貼ってあったりけっこう凝った作りになっています。
しかしそれでも自販機はありません!やはりドリンクを補充する人が死ねるからだろうか?
道中、自販機が一切ない事の注意書きはどこにもありません。絶対にペットボトル持参!!
3333段なので、このトイレあたりが中間地点。
まだ半分もあると考えるか、半分は超えたと考えるか。。( ̄~ ̄)

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まだまだ階段は続きますが、「天才たけしの元気が出るテレビ」と書いてある石碑がありました。
昔、テレビ番組で何か階段の企画を行ったのだろうか?

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後半以降はこのような階段のない林道も出てきます。
夏でも涼しく、歩いていてとても心地良いです。束の間の穏やかな空間。

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しかし階段は終わりません。林道が続いてほしいと願っても、やっぱり見えてくる階段。

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立派な木も多い。植林ではなく古くから山にある木のようだ。

階段→林道→階段という流れが続きます。

釈迦院30

国内のみならず外国から輸入した石も使われている

熊本県内の石のみならず、全国各地の石、インド・中国・韓国などからの輸入石も使われています。

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2300段目

このあたりから段数表示がムカついてくる。(#・∀・)ムカッ!!
逆に見ない方が早く終われる気がしてくるのだ。

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休憩所は多い。もちろん自販機はない。

帽子が休憩所に放置されていた。
もうここで上るのを諦めて切腹でもしたのだろうか。

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2500段付近になると妙に階段が途切れる場所が頻発してくる。
理由は明白だ。どうしても3333段にしたかったのだ。
しかし普通に階段を設置すると3333段を超えてしまう。
かと言って4444段に増やすには距離が足りないし(予算かも)、日本では4は縁起が悪い。
こういう細かい調整は1000段付近まではほとんどない。
やはり下から上に向かって作っていったのだろう。

(`□´)ノ やべー、このままじゃ3500段になっちまいやす!
( `ー´)ノ てやんでえ、適当に石畳を挟んで段数を少し減らしていけ!

ってな会話が建設中にあったと思われる。

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テントを設営できそうな休憩所。ここでビバークし、翌日にアタックを持ち越すという手も。(ない)

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2500段目付近に最後の休憩所があるが、これが凄く立派。
なんか普通にキャンプできそうだし、工夫すれば住めそうだ。
そのままここの番人になって、関所的に観光客から通行料を取る生業も可能だろう。
水場もあるし、ここでしっかり最後の休憩をしてラストアタックを頑張りたい。

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よっしゃあ!(`Д´) 残りは1000段を切っている!行くぜ!

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2600段

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2800段

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3000段!!

ついに三千段の大台を突破!
ここまで来ると、もう少しで終わってしまうのがさみしくなってくる。

釈迦院41
釈迦院42
ここまで来ると、だいぶ標高が高いのか霧が出てきました。
チョモランマァ~~( ゚o゚)
そしてラスト、、ラストの直線に入ります。

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これがラストの直線です。おお、神々しい。なんか頂上が輝いておる。
天照大神とかキリストとか鈴木その子とかがいるのではないかという輝き。

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うおおぉぉお!(`□´)ノ 3300段目!
あと33段や!もう頂上はすぐそこやで!セツ子!

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\(゚Д゚)/ ウラアァァァア!!

やった!ついにやったで!
3333段上り切ったで!

「白龍が 昇るが如し 石段は 三、三三三で 日本一」
という歌が刻まれた石碑が鎮座しておりました。
「はくりゅうが のぼるがごとし いしだんは さんさんさんさで にほんいち」 かな?
漢数字を使って和歌の体裁を守りながら、3桁でコンマを付けて海外観光客にも配慮。
いやあ、大変だった。汗だくだく唯々諾々つゆだくだくだった。(つω・`)
やっと釈迦院に着いたぜ。やはり日本一は伊達じゃないぜ!

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だがそこに釈迦院はなかった。。。

はっ?(゚Д゚)
どういうことやねん!3333段上り切ったのに何もないや内科医!!
ふと横を見ると、植物に覆われている看板を発見。

釈迦院48
ふむふむ。(。´・ω・)
釈迦院へのご案内、遊歩道1050M(徒歩15分)

・・・

(*`□´) 全然まだあるやないけ!!
ふざけんな!ふもとにはそんな事書いてなかったで!o(`ω´*)o
っていうかここでも自販機なし!水持ってこなかった人は死ぬしかないやないけ!
オシャカになるで!だから釈迦院ってか!やかましいわ!(`Д´)

さて、そんな事を言っても始まらないので、ゴールの釈迦院を目指すわけだけど、、

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釈迦院50
これが約1㎞、徒歩15分とは言っても、けっこう普通に傾斜のある山道なんですね。
なんやねん。(´・ω・`) だったら4000段行けたんちゃう?
きっと、どうしてもゾロ目にしたかったのでしょう。
そして4444は縁起が悪い。
だが5555は予算的にも距離的にも入りきらない。だから3333段になった。。
まあいいんだけど、3333段を上り切った所にデーン!!と釈迦院があると思ってたもんだからちょっと拍子抜け。

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しかし道中には展望台があり、景色も素晴らしく、階段を上ってきた疲れが癒されます。

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展望台の案内が、縦書き左開始というアバンギャルドなレイアウトで一瞬戸惑う。。

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釈迦院が近づくにつれて石畳が増えてくる

オユキが偵察した日は適度にお日様が照らしてくれて適度に曇っている陽気。
おかげで非常に美しい写真を撮る事が出来ました。(デスクトップ候補)(^ω^)

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なんと沢蟹がいました!   ≧[゚~゚]≦
こんな標高の高い場所でも沢さえ近くにあればいるものなのですね。
さて、ポチポチ歩いているとついに釈迦院らしき建造物が見えてきました。

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やっとだぜ!( ;∀;) ここまで120分ほどかかっております。

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ふむー。( ̄ー ̄) なかなかの趣。
木造如来立像は平安時代の作なのですな。(普段見る事は出来ません)
木造はとにかく火に弱いから、1000年以上残っているというのはそれだけで凄い事。

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山門もなかなか古くて立派なものですよ。
しかし、、

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二体の金剛力士像的なやつは非常にクオリティが低い。
特に右像の雑な修理はなかなかの味を出している。。
青と赤で派手に色塗りしている所がチープさに拍車をかけていて、これなら色を塗っていない方が良かったと思う。
高度経済成長期やバブル期によくある間違いだ。(;^ω^)

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しかし境内はしんとしていて実に良い雰囲気。
標高が高い場所なので空気も綺麗で、心が洗われるようです。

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このお地蔵さまも台座の苔と相まって良い感じだった。

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偶然、配達中の郵便局員と遭遇!ポストはなんと本堂に備え付けられてありました。
階段をカブで上ってくる郵便局員はやはり凄い。(嘘)

釈迦院66
境内奥に更に山へと続く階段を発見!( ゚o゚)
一瞬迷いましたが、15時を過ぎていた事と、どこへ続いているのかわからなかったので断念。
そう、みなさんお忘れではないだろうか?ここはビルではない。
上った階段は同じ数だけ、下らなければならないのだ。

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ちなみに釈迦院奥にはトイレもあるようです。
しかしトイレはあっても釈迦院にも自販機はない!!
水分を持参しないで上るとマジでオシャカになる可能性があります。注意!

釈迦院自体には階段ルートとは反対側に道路が通っており、車での参拝も可能となっています。
先ほどの郵便局員が決してオフロード・トライアル走行の達人、というわけではないのである。

さて、、下りだ。
オユキは階段が好きだと書きましたが、正確には「階段の上りだけが好き」なのです。
下りは大っ嫌いです。逆の人の方が多そうなのですが、これがオユキの習性です。
上りだけ階段を使い、釈迦院で迎えの車に乗り反対側の道路を使って帰る、など出来れば最高なのですが。。。
そんな事が出来るのは一部の特権階級・上級国民かブルジョワ、あるいは梅宮辰夫だけである。

庶民は上ったら下る必要があるのだ。あるいは、釈迦院でそのまま僧侶になって暮らすしかない。
煩悩の塊であるオユキは迷わず下る事にしました。 焼肉食いたいんだニャ!(`□´)ノ

釈迦院68
下り開始!釈迦院には一基だけお墓がある。檀家なのかな??

釈迦院69
・・・  (´Д`;)
下り階段開始。実に憂鬱です。
なぜオユキは下り階段が嫌いなのか、それは関節が痛くなるからです。
決して歳を取ってこうなったわけではありません。
子供の頃から、階段の上りが大好きで下りが大嫌いでした。
これは山登りでも同じで、上りだけ好きという性質があります。
元々関節が弱いのでしょうか。下りだけ好きという人がけっこういますが、全く共感できません!
なんで足と膝痛くならないの!!(`Д´)
そして階段を上っている時に感じる高揚感。
「自分は一歩一歩高い場所へ上っている」という満足感を得られないのも下りが嫌いな理由です。
山の頂上には人間大砲を備えておいてほしい。
それで麓まで吹っ飛ばしてくれれば下りの苦痛を味わわずに済む。
しかし地面に叩きつけられて死んでしまう。(ノД`。)シクシク

下りが好きな人に聞いたところ、下りは速度速めに下りた方が楽らしい。
重力に任せて落下していくような感じ。
確かにその方法だと筋肉への負荷が小さく楽に感じる。が、関節には大きな負担が来る。
悩ましい所だ。この世界から下りなんかなくなれば良いのに!!

釈迦院70
そして麓山門へ到着。膝はガクガクである。
下り道は本当に嫌いなので詳しく書くつもりはない。(ノД`) とにかく辛かった。。

そういえば上りだけが好きなオユキは子供の頃、エスカレーターの下りを逆に上り続ける遊びが好きでした。
よく大人に怒られたものである。( ̄ー ̄)

釈迦院71
そしてようやく麓へ戻ってきた。あたりはすでに暗くなり始めていた。
オユキは友達と喋りながらゆっくり上ったので、階段を上り切るまで100分、釈迦院まで120分。
下りはその半分くらいの時間かかりました。
速い人は50分ほどで上り切ってしまうそうです。

さて、釈迦院3333段の階段のきつさはどれくらいか?と言いますと、
確かに階段としては日本一のもので覚悟が必要ですが、登山に比べればそれほどハードなものではありません。
軽めの登山、例えばニセコアンヌプリに登るよりも少し楽なくらい、羊蹄山とか本格的な山登りをする人には朝飯前だと思われます。
東京の高尾山に登るよりはハードです。
しかし立派な階段が3333段も続く場所は他にはなく、交通費くらいしか費用はかからないのでおすすめのアクティビティですよ。

帰り支度をしていると、ふもとで変な看板を発見。

釈迦院72
新人力士募集!?なんのことや?(・ω・)

釈迦院73
階段好きのマゾどもに称号を付ける番付であった。
階段を上り切った回数に応じて番付が決まるようだ。

釈迦院74
( ゚Д゚)………
東横綱 久木田康弘 年齢71 勝星6568
6568回!毎日上り続けても18年かかる回数だ。
しかししこ名が うそ八百山 である。どうせ嘘をつくなら2兆回とか言ったらどうだろう。
だが確かに、軽々と上っている達人らしき人物にオユキも遭遇しました。
こんなもん嘘をついても得はないので本当のアホ強者なのでしょう。

釈迦院75
うーん。序の口でも数十回超えはザラだ。まったく日本はマゾ大国ですな!!
しかしオユキも近所に住んでいれば登録はするかもしれない。
階段というのは不思議なもので、
上っている最中は「こんな事しようって言った奴誰だ!(`□´)←コイツ」と言いたくなる。
もうこんなバカな事に時間を費やすのはやめよう。と思う。
しかし上り終わって帰る頃には、「また、来てみようかな。。」と感じるのだ。
これはまさにラーメン二郎のようなものである。そう、階段とはすなわち二郎である。
そう、そういうやってる最中は何が楽しいのかわからないが、なぜか中毒性があるもの。
そんなものが好きな人の為に階段はあるのだ。
あなたもどうだろうか。階段を無性に上りたいと思ったら熊本へGOだ。

結論としては、階段は二郎。
それではみなさん、ごきげんよう (;^ω^)/~~~

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