30代で帯状疱疹になった! 【健康と病気の話】

帯状疱疹(たいじょうほうしん)はごく身近な病気です。
一般的に高齢者が罹りやすいと言われています。
ところが、最近は若い人も帯状疱疹に罹患する事が増えているそうです。
わたくしオユキも2017年の夏、ついに30代前半にして帯状疱疹にかかってしまいました。
そこで、その時の話を少しだけ。

まず帯状疱疹とは何か。
多くの人が子供の頃に経験する水疱瘡(水疱瘡)がありますね。
体中に赤いブツブツが出るあれ。
ウイルス感染が原因で起こりますが、水疱瘡を引き起こすのはヘルペスウイルス。
(厳密にはヘルペスウイルスの中の水痘ウイルス)
麻疹や風疹も全身に蕁麻疹が出る事から症状が似ていますが、ウイルスの種類が違います。
水疱瘡になると体は抗体を作り出し、ウイルスを排除しようとします。
ですが、実はヘルペスウイルスは完全に排除される事はありません。
ヘルペスウイルスは免疫系に攻撃され数を減らしていきますが、神経細胞の中に隠れてしまいます。
神経細胞の中に隠れたヘルペスウイルスを免疫系は見逃してしまいます。隠れているので攻撃できないのです。
そしてこの神経細胞の中に隠れている状態では無症状になります。
ウイルスが隠れているけど、神経細胞から出てこないので症状は何もないという状態になります。
ほとんどの成人はこの状態です。
ですが、免疫が弱った時や疲れた時などに神経細胞内のウイルスが増殖する事があります。
この時に現れる症状が帯状疱疹です。
出る場所は人によってまちまちで、お尻のあたりに出たり頭頂部などに出る場合もありますが、最も多いのは脇腹・肋骨のあたり。
人間の体にはたくさんの神経細胞がありますが、それぞれ場所は違うので、帯状疱疹も色々な場所に出てきます。
帯状疱疹が体を一周したら死ぬ」などという迷信がありますが、体の神経は左右で分かれているので一周する事はほとんどありません。
ごく稀に免疫が極度に低下した人では、ヘルペスウイルスが異常に増殖し、湿疹が全身に広がる事もあるそうです。
ですが現在では優れた抗ウイルス薬も開発されていますので、万が一そういった症状になってしまっても早期に治療を開始すれば問題ありません。

通常帯状疱疹が発生する時には前兆があります。
体の特定の場所が痛むのです。
その痛みはまさに神経細胞から来るものなので、神経痛に似ています。
ズキズキやズシンとくる重い痛みではなく、チクチクとかヒリヒリするような鋭く細いような痛みです。
オユキは元来軽い神経痛みたいな症状を持っています。
疲れた時など、よく肋間神経痛が起こるのです。
肋間神経痛は成長期に多いもので、時々突然「ズキンッ!!」と心臓や肋骨のあたりが痛むあれです。
ですが大人になってからも肋間神経痛が慢性的に続く人もいます。
そう、わたくしがそうなのです。
肋間のみならず、膝や肘、頭の三叉神経なども時々痛む事があります。

ある日の夜、お酒を飲んで大好きな映画「ホビット」を見ていました。
すると左側の肋骨のあたりにチクチクとした痛みを感じます。
ちょうどスランドゥイルが日本刀みたいなエルフの刀でオークの首をバッサバッサと切っていたシーンのあたりで起こりました。
あ、肋間神経痛だ。最近疲れていたからなあ。お酒も多かったし。
などと思ったのですが、おかしいのはそれが長く続くという事でした。
持病の神経痛はどんなに長くても数十分、短い時は数秒のものですが、その時の肋間神経痛は数時間経っても消えず、翌朝起床した時もまだ続いていたのです。
なんだろう?膵炎でも起こしたか?いや、膵炎はこんな小さな痛みではない。でも胃痛とか腹痛でもない。やはり神経痛だろう。
オユキはそう思いました。
その日はお酒も飲まず、早めに寝て体力を回復させる事にしました。
しかし、次の日もまだ痛いままなのです。それどころか少し痛みが増している気がする。
この時、オユキは帯状疱疹を疑いました。
以前祖母が罹患した事があり、痛みが先に来るという予備知識があったのです。
しかし鏡で痛む部分を見ても、何もない。
うーん。やはりただの疲れ、神経痛かな。まあ痛みがさらに数日続いたら医者に行くかなあ。
そんな事を思ってまたその日も早めに寝ました。それが金曜日の夜の事でした。
さて、更に翌日。痛みは消えません。鏡で痛む場所をまたチェックしますが、何もない。
痛みは続いているため、夕方になって念の為またチェックをしました。
そうしたら、あったのです。
ビンゴ!!帯状疱疹!間違いない!
脇腹に少し赤い虫刺されのようなブツブツが出来ていました。痛む場所と一致しています。
絶対に帯状疱疹です。
朝にはなかった湿疹が夕刻には出てくる、それくらい湿疹の出現は突然でした。

帯状疱疹01

その時の写真

最初の痛みを感じ始めてから三日目の事でした。
確かに、思い当たるフシはありました。仕事疲れや旅行疲れが溜まっていた時です。
旅行などは精神的には楽しいものですが、肉体的には大きなストレスで体を壊しやすいのも事実。
ですがオユキは帯状疱疹の知識があったので、ある意味安心したのも事実です。
治らない深刻な病などではないと確定したからです。
しかし!問題はそれが土曜日の夕刻だったという事。
翌日は日曜で病院は休み。
だからと言って帯状疱疹ごときで救急外来になど行っては病院に迷惑がかかる。
月曜の朝まで待つしかない。そう決めてとにかくよく寝て体力の温存に務めたのでした。
しかし翌日の日曜日には少し湿疹が広がり、痛みも増してきました。

帯状疱疹02

湿疹出現から2日目

色味が強くなり、湿疹がはっきりとして広がってきました。
痛みも増してきます。湿疹出現前はチクチクとした痛みだったのが、この状態くらいになるとヒリヒリとした強い痛みに変わってきます。
寝返りをうつと擦り傷が擦れるような痛みです。

帯状疱疹は確かに命に関わるような病気ではありませんが、いかに早く抗ウイルス剤を投与するかが重要です。
ずっと放っておいても自然免疫によって治りますが、湿疹はどんどん大きく広がり、耐えがたい激痛に悩まされる事になります。
そして最終的に湿疹跡や痛みも数年間残り続ける事になるのです。
自然免疫で治した人の話などがネット上にありますが、ご興味のある方は調べてみてください。
絶対、止めた方が良いですよ!物凄く辛く大変です。

さて月曜日。近所の皮膚科へ行き、診察。
当然速攻で「帯状疱疹ですね」と言われました。
そう。診断してもらうまでもねえ。早く薬を処方してくれ!(`□´)ノ
そして抗ウイルス剤と痛み止め、軟膏をもらいました。

帯状疱疹03

処方された薬

帯状疱疹に効果のある抗ウイルス剤はいくつかあります。
オユキが処方されたのはバラシクロビル
これを速攻で飲み始めました。
月曜日の朝にはさらに痛みが増していましたが、湿疹出現から3日目に抗ウイルス剤を飲んだのがとても良い事でした。
オユキは自他共に認める「医者好き」であり、体に不調があればすぐに医者に行くタイプです。
不調がないにも関わらず医者巡りをしてしまう通称「ドクターショッピング」などはいけませんが、病気は早期に発見して治療すれば結果的に医療費は下がります。
医者嫌いは本当にダメですよ!
オユキの親類縁者などを見ても、やはり医者嫌いの人は早死にしてしまう事が多かったです。
帯状疱疹も命に関わらないからと、湿疹出現から1週間以上経過してから病院へ行く人が多いようです。
しかし、1週間も放っておくと帯状疱疹は耐えがたい激痛に変わり、治るまでの時間も倍増してしまいます。
痛みと湿疹が同時出現して、広がる傾向があれば仕事を休んででも皮膚科へ行く事をお勧めします。

さて、抗ウイルス剤を飲み始めるとすぐに効果が出てきました。
痛み止めを飲んでいたのもありますが、痛みも治まり、湿疹の拡張も治まります。
そのまま薬を飲み続けて4日もするとだいぶ帯状疱疹が小さくなりました。

帯状疱疹04

抗ウイルス剤を飲み始めてから4日目の状態

治って来るとだんだん湿疹はかさぶたのようになり、剥がれながら最終的にはなくなります。

帯状疱疹05

抗ウイルス剤を飲み始めてから7日目の状態 かさぶたのようになった

ここまでくるともう痛みはほとんどなく、あとは湿疹が完全に消えるのを待つだけです。
しかし痛み止めはもうしばらく飲み続けます。
というのも、帯状疱疹には「帯状疱疹後神経痛」という後遺症が出現しやすいからです。
これは帯状疱疹による神経痛が続いた後、脳が痛みを感じやすくなる状態で、帯状疱疹が治った後もその場所に痛みが続きます。
人間の脳というのは不思議なもので、
萎縮性胃炎などが続く人は胃炎が治ってないのに痛みを感じなくなったり、
その逆に、疾患の治癒後も脳が痛みがあると勘違いし続ける様な事が起こります。
帯状疱疹はその「痛みがあると脳が勘違いし続ける」という後遺症が起こりやすいため、帯状疱疹になったら痛み止めを長めに飲む必要があります。
もう痛みはありませんよー!」と脳に教えてあげるのです。
人体って物凄く精密で複雑で、同時にけっこうポンコツです。
そこが人体の面白いところでもありますが。。
帯状疱疹後神経痛は早く薬を飲み始めた方が出現しにくくなります。
そういった意味でも帯状疱疹はいかに早く病院へ行き、投薬するかどうかが鍵になります。
自然免疫だけで治そうとしてしまった人は神経痛に数年間悩まされる事になってしまいます。
それだけは避けたいところです。
また、オユキは湿疹出現後3日目で薬を飲み始めましたが、それでも帯状疱疹の痕が完全に消えるまでには2カ月ほどはかかりました。
酷くなるまで放っておくと、肌の赤い湿疹痕が何年間も残ります。

さて、帯状疱疹に一度罹った人は二度目はない、と言われる事があります。
これは帯状疱疹に罹る事で、数を減らしていた抗体がまた増産されるからです。
ところが昔は帯状疱疹は高齢者の病であり、若い人が罹る事はほとんどありませんでした。
例えば70歳の人が罹ったとすれば、抗体がまた減って来る前に寿命が先に尽きる可能性が高いのです。
しかし30歳の人が罹れば、抗体が減って来るのが寿命が尽きるよりも先かもしれません。
オユキも早死にさえしなければ、またいつか帯状疱疹と付き合う事になるかもしれません。
また体質によっては何度も罹ってしまう人もいますが、適切な治療をすれば問題ありません。
すぐに病院へ行く事は大切ですが、心配しすぎない様にもしましょう。

ではなぜ最近は若い人が帯状疱疹に罹る事が増えたのか?
現代人はストレスが多いとか、食生活の変化だとか色々な説はありますが、
最も納得できるのは「ブースター効果の機会が減っている」という説です。
ブースター効果とは、特定のウイルスに対する免疫(抗体)をすでに持っている人が、そのウイルスに再度曝される事で抗体が増える現象です。
この場合、元々抗体があるので症状は出ませんが、体の中では抗体の再生産が行われるのです。
帯状疱疹のブースターが最も確実に起こるのは、水疱瘡に感染している子供に近づく事です。
そう、現代人は昔と違い核家族化が進み、また、晩婚化の影響で子供に触れる機会の少ない人が多くなってきました。
ワタクシオユキも例外ではありません。
昭和の時代では30代になる前に結婚し、子を持つ人が多数でした。
そうなれば、必然的に水疱瘡に感染した子供に触れる事になります。
そこで、ヘルペスウイルスに対する抗体が増産され、その後また減って来る60代以降に帯状疱疹が出現するパターンが多かったのだと思います。
ところが最近は30代では子を持たない人も多い。
核家族化や独身世帯の増加、ご近所との交流も少なくなった現代ではよその子とも触れる機会は激減しました。
こうなると、ブースター効果が起こる機会がないのです。
結果的に、20代や30代でも抗体数が減り、帯状疱疹になってしまうのでしょう。
これを裏付ける証拠に、保母さんや学校の先生など、子供に近づく機会の多い人は帯状疱疹になりにくいというデータがあります。

なるほど。環境やライフスタイルの変化は健康や病気にも密接に関係しているのですね。
現代では子供のアレルギーなども増えていますが、清潔にしたり、他者との触れ合いが減る事は良い事ばかりでもないのが難しいところです。
長くなりましたが、帯状疱疹、みなさんも気が付いたら速攻で皮膚科へ行ってくださいね!

チクチクするような謎の痛みが続く」「その場所にブツブツが出てきた
それに気が付いたら一刻も早く皮膚科へ!
頭や目の付近に出現する場合は特に危険です。決して、自然に治そうとはしないでください。

それではみなさん、ごきげんよう ( ^ω^)/~~~

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